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ようになってから、上昇飛行の直進を実施させる。
指導者として特に注意することは、最初の昇降舵操作の練習中は、方向舵のペダルから練習生の足をはずさせ、すべての感覚を手に集中させる。
指導者は、方向舵のペダルはもちろんのこと、補助翼の操縦も、練習生に気づかれないように操作する。2−9図の左の二つの図のようにすれば、前後方向が自由に操作できる。また、横方向の操作は、静かにゆっくりと押す。この方法は、直線課目だけでなく、すべての課目に応用できる。

 

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指導者の操縦桿の扱い方

 

補助翼のはたらき
補助翼は、2−10図のように、左右の主翼の後縁に取り付けられた舵である。これによって。左右の傾斜をつけることができる。2−10図の左翼は補助翼の断面部分がA−A’断面図のようになり、右翼は補助翼部分がB−B’断面図のようになっている。前者は揚力が実線のように増加し、後者は実線のように減少する。したがって、Cの矢印の方向に運動し、バンク(傾斜)することができる。しかし、A−A’断面図に示すように、B−B’断面よりも抵抗が大となり、機首が左に振れる。これをヨーイングといい、方向舵ペダルの右をふんで、直進するようにしなければならない。この現象は飛行機にもある。主翼の長いグライダーやモーターグライダー等では特にいちじるしく、グライダーパイロットに重要な操舵である。

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補助翼のはたらき

 

 

 

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